福島県の県立高校入試の平均点をホームページにまとめました。駿英では平成元年から令和2年までの入試平均点を一覧表にまとめています。通算すると過去32年になりました。
入試はホント上手に作成してありますね。平均点が120~130点になるように作成しているのが分かります。ただ、たまに難しい年度、易しい年度があり、波乱を呼んでいます^^;
今回は令和2年の県立高校入試データから
「今年の福島県高校入試の難易はどうだったのか?」
「新制度で実施された初の入試で得点の変化はあったのか?」
「今年の最高得点は何点?」
を書いてみました。
今年の平均点は意外でした。その理由は?
もったいぶったところで本題に入ります(笑)
令和2年の入試はどうだったのか?
令和2年の高校入試結果と感想
まずは令和2年の平均点をご覧下さい。
令和2年の県立入試平均点
国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 5教科 |
---|---|---|---|---|---|
27.8 | 21.8 | 26.2 | 25.0 | 26.4 | 127.1 |
昨年度の平均点と比較すると
●国語⇒0.2点ダウン
●数学⇒0.8点ダウン
●英語⇒0.2点ダウン
●理科⇒1.7点ダウン
●社会⇒1.1点ダウン
●5教科合計⇒4.1点ダウン
という結果でした。
私は県立入試問題は毎年5教科取り組んでおり、このブログでは入試が終わると無謀にも平均点を予想してきました^^;
例年、入試後は「今年は難しい」「今年はちょー簡単だ」と生徒の感想は極端で当てになりません(笑) 入試の難易など毎年自分で5教科取り組まないと分かるはずがないと私は考えています。だから、プロの目で客観的にどうだったかをレポートしてきたのです。そのおかげで入試後のアクセス数は1年で最も多いほどなのですが^^
ブログの過去記事を見ると今年はこんな予想を書いていました。
過去記事より引用
今年の平均点予想…、昨年同様orほんのちょっと上がると予想し5教科合計の平均点は130~132を予想。
正直話しますと、入試後の生徒の自己採点や合格点を聞く限り今年の平均点は過去最高の平均点になるかもと考えこそっと修正しようとも考えました(笑)
ところが今年の入試平均点は昨年(平成31年)を4.1点下回る127.1点!
私自身驚きました。4点下回るというのはけっこうな変化です。私が担当した生徒は平成31年の過去問を全員上回っていましたし、先生達との間でも「今年は予想以上に易しい問題だったね」で一致していたからです。
令和2年の入試結果が低い理由
昨年だけでなく過去5年の平均点と比較してみましょう。
【過去5年の入試平均点(教科別)】
年度 | 国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 5教科 |
---|---|---|---|---|---|---|
平成28年 | 28.0 | 21.4 | 26.0 | 27.4 | 28.6 | 131.7 |
平成29年 | 24.7 | 24.9 | 24.3 | 29.0 | 25.5 | 128.3 |
平成30年 | 30.8 | 24.5 | 21.2 | 28.1 | 23.5 | 128.2 |
平成31年 | 28.0 | 22.6 | 26.4 | 26.7 | 27.5 | 131.2 |
令和2年 | 27.8 | 21.8 | 26.2 | 25.0 | 26.4 | 127.1 |
過去5年と比較しても令和2年の平均点が1番低いことが分かります。私の体感では最も簡単な問題が令和2年だったのにです。
令和2年に起きた新しい事はというと
新入試制度!
これに尽きます。
新制度のもとでは全員が一般入試を受けることになりました。これによりどう受験者数が変化したのかを調べてみましたのでご覧下さい。一般入試受験者の比較です。
【一般入試受験者数】
・令和2年の前期受験者数:12,913名
・平成31年のⅡ期受験者:8,987名
※平成31年のⅠ期内定者:4,686名
新入試制度は簡単に言えばⅠ期の廃止です。今までⅠ期(推薦)の生徒は一般入試をやらなくて済んだのを一般入試を義務づけたという改革です。これは大きい変化なんですね。
進学校受験の生徒はピンときませんが、福島県は1倍を越える進学校は圧倒的に少ないのです。で、大多数の高校はⅠ期で枠が多く、約半数が一般入試を受けずにⅠ期で合格出来たんです。平成31年で言えば4,686名がⅠ期で内定をもらっていおり、一般受験を免れていました。
(もし、平成31年度を新入試制度で実施された場合、Ⅰ期内定者も一般受験することになり一般受験人数は「8,987+4,686=13,673名」となっていたと推測できます)
今年の入試、令和2年の新制度の下では今までのⅠ期内定枠(推定約4,600名)がなくなり全員が一般入試を受けることとなりました。
この推定4,600人が一般受験したことで入試平均点を大きく変動させます。この事実が平均点を大きく下げた理由だと私は考えています。(Ⅰ期受験者は進学校受験者が少ないため、Ⅰ期がなくなることで平均点は低くなると予想される)
長々書いてきましたが、今後年度別平均点を見るとき、新制度前か後かで平均点を分けて見る必要があります。現在中学3年生の生徒は「入試過去問」に取り組む場合、頭に入れておいて下さい。
県立高校入試各種データ
過去32年の入試平均点国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 5教科 |
---|---|---|---|---|---|
28.0 | 22.6 | 25.3 | 24.8 | 24.8 | 125.6 |
国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 5教科 |
---|---|---|---|---|---|
27.9 | 23.0 | 24.8 | 27.2 | 26.3 | 129.3 |
入試年度 | 最高得点 |
---|---|
平成26年 | 232点 |
平成27年 | 226点 |
平成28年 | 233点 |
平成29年 | 237点 |
平成30年 | 236点 |
平成31年 | 227点 |
令和2年 | 232点 |
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