発達障害についてのアーカイブ

発達障害~用語の説明

高橋先生が2回にわたり「発達障害」に関する記事をレポートしました。
今回がこのシリーズの最後になります。
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最後に、主な「発達障害」に関する用語の説明をさせていただきます。用語自体は頻繁に使われてもいますが、正確な内容まで知っている人は少数です。良く理解し役立たせていただければ幸いです。

「ADHD」(注意欠陥他動性障害)
書いて字の如く、不注意や落ち着き
のなさが目立ちます。その中でも「不注意」が主な症状である場合と、「多動・衝動性」が主な症状である場合があります。最初の「福美さんと島子さん」の問題への反応が、①か②になる可能性が高いです。

「LD」(学習障害)
全般的な知能は正常範囲なのに、例えば「読み」「書き」「計算」など、ある分野だけが極端に苦手なのが特徴です。

「自閉症」
漢字で書くと「引きこもり」のようなイメージになってしまいますが、全く別のものです。社会性やコミュニケーションの障害が特徴です。以前
は、知能が標準範囲より低い場合が多かったのですが、最近では、知能は標準範囲、あるいは標準範囲よりもはるかに上の場合もあります。

「アスペルガー症候群」
知能や言語能力は標準範囲かそれ以上ですが、「自閉症」的な社会性やコミュニケーションの障害が見られます。「高機能自閉症」に含まれるという説と、狭義の「自閉症」には含まれないという説があります。最初の「福美さんと島子さん」の問題への反応が④になる可能性が高いです。

「知能」
「知的能力」とも言われます。「知能検査」等で一応数値化されます。その年齢集団の平均的な知能を100として、70、または75以下と、130以上が異常値とされます。自閉症の場合、知能が標準に達さないタイプを「低機能自閉症」、知能が標準以上のタイプを「高機能自閉症」と分類されます。「高機能」と言っても、知能指数がギリギリ標準に入るくらいから、異常に高い場合まであります。

「広汎性発達障害」
実は、「発達障害」というのは、いろいろな症状が、複雑に組み合わさっている場合がほとんどです。そのために、1種類の「発達障害」の診断基準だけではなくて、いろいろな「障害」の症状がオーバーラップしている人が多いのです。そのために、診断名として「広汎性発達障害」となる場合も増えています。

「療育」
「治療的教育」のことです。「発達障害」は、「悪い事」ではありません。ただ、本人や周囲の人々を困らせるケースが多いというだけです。誰の責任でもありません。しかし、その「困り度」を軽減する方が、社会に適応し易くなる事が多いのです。「療育」では、具体的にどのように現実に対処していくと生き易くなるのかを学んでいきます。アメリカでは非常に進んでいる分野です。

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我が子が発達障害だと気がついたら

前回の続きになります。記事は高橋先生です。

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さて、子供の発達が「定型発達」ではないかと疑い始めるきっかけは様々だと思います。最近では、乳幼児健診や就学時健診で、医師から指摘される場合も増えています。そうすると、専門家への受診も早期にできます。しかし、症状が目立たないタイプや、その時のタイミングによって、気が付かれないケースが多いのです。

健診で指摘されなかった場合、保護者が気が付くか、本人が違和感を訴えるか、教師や親戚などの他人に指摘されるということが、非定型発達を疑い始めるきっかけとなります。その時の保護者の対処が非常に難しいところだと思います。

他の子ども達との違いが、周りに受け入れてもらえ、本人も今後の人生で大きな困難をきたさない、いわゆる個性と言える範囲のものか、それとも専門家のサポートが必要なのか、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。

保護者が自然に気が付いたとします。保護者の多くは、複雑な気持ちになるでしょう。自分の子どもが発達に問題を抱えているという可能性を、無意識に否認してしまい、「気のせいだ」ということで無理に自分で納得してしまう親御さんも多いでしょう。

本人が、違和感を自覚するのは、何かしらのトラブルの積み重ねなどで、不適応が起こってしまっている場合がほとんどです。この場合は、専門家への受診は意外としやすいことが多いです。ただ、既に不適応が起こっている状態での受診なので、本来の発達の問題が隠れてしまい、鬱状態などの二次的な障害のみの診断や治療になってしまうことが多いです。

教師や親戚など、割と身近な大人が気付いた場合、一般的には、その事を保護者の方に伝えるかどうか迷うと思います。専門家ではないので、「少し変わっているだけなのかもしれない」と思ったり、却ってもし違っていたら後々親御さんとの人間関係にまで影響してしまったりすることを危惧するからです。逆に考えれば、他人が忠告してくれるということは、それだけ症状が強い可能性が高いのです。

次に、我が子の発達のアンバランスさが標準を超えていると疑った時に、どのように行動したらよいかの判断ですが、「ADかもしれないから病院に行って検査を受けなさい。」と、単刀直入に切り出すことも難しいし、家族の中での情報や意識の共有も大変です。

今は、情報がたくさんあるので、本やネットなどで知識を入れるということも簡単にできるようになりました。気を付けなければならないのは、誰もが簡単に情報を発信することもできるので、全てが正しいとか、全てが自分の子にも当てはまるとは思わない事です。

客観的事実と、情報提供者の主観的な考えの区別や、正しい知識や理解が必要です。その上で、家族に同意を求めたり、本人に抵抗感なく受診しやすい説得の仕方を考えるということをお勧めします

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発達障害~療育の勧め

今回は『発達障害』についてのレポートです。
駿英家庭教師学院の専任講師で『発達障害』のカウンセリング&指導を積極的に取り組んでいる高橋先生の記事になります。

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突然ですが、問題です。

ある日、福美さんの部屋で、福美さんと島子さんが、二人で勉強をしていました。途中で福美さんは、お母さんに呼ばれて、使っていた鉛筆と消しゴムを自分の筆箱に入れて、部屋を出て行きました。その間に、島子さんは、福美さんの筆箱から、鉛筆と消しゴムを出して、福美さんの机の引き出しに入れました。やがて部屋に戻った福美さんは、勉強を再開するために、鉛筆と消しゴムを出そうとしました。さて、福美さんは、どこを開くでしょうか?

当然、答えは「自分の筆箱」ですよね。

ところで、この答えを出すのに、①問題を読み終わる前にわかった人。②問題を読み終わった瞬間にわかった人。③問題を読み終わって3秒間以内にわかった人。④問題を読み終わってしばらくかかった人。など様々いらっしゃると思います。

①の人で、わかった途端問題を読むのをやめてしまった人は、ケアレスミスをしがちなタイプかもしれません。

②の人で、もう一度自分の中で確認せずに、答えを決め付けてしまった人は、自信家か、衝動が強いタイプかもしれません。

③の人は、一般に、集団の中でも上手に協調しながら適応できるタイプだと思われます。

④の人は、問題を集中して読めなかった、あるいは、福美さんの立場で考えることが難しかった、などだったかもしれません。

この問題では、福美さんは島子さんが鉛筆と消しゴムの場所を変えたということを知らない、ということに気が付かなければ正解できません。他の人の立場で考えることができるかどうか、これを「心の理論」といいます。

集団生活の中で、多くの人は、無意識に「心の理論」の機能を活用しています。しかし、それが困難な人達も意外に多くいるのです。そして、それが、周囲の人々にも、本人にも、何とも言えない違和感をもたらす事があります。集団への適応がうまくいかない場合、直接のきっかけだけでなく、その根底に積み重なっている、お互いの違和感の原因を探る必要があります。

ところで、上記の問題ですが、これが、文字で書かれた問題ではなく、口頭で尋ねられた問題だったとしたらどうでしょうか?

文字で書かれた方が理解しやすいという人は、どちらかというと視覚優位ですね。口頭で尋ねられた方が理解しやすい人は、聴覚優位かと思われます。

情報は、様々な感覚器官から、神経を通して脳に入っていきます。一人一人、感覚器官の働き方が異なります。学習方法も、効果を上げるためには、その人に合った方法があるのです。それを見つけ出すことも重要になってきます。

一人一人、脳の発達の仕方は異なります。その異なり方は、個性とも言えるものです。しかし、社会の中で生きていくにあたって、うまく周囲と調和して生活していくのが困難な程、脳の機能の発達にアンバランスがある場合もあります

最近よく話題にされる「発達障害」という言葉、お聞きになった方もいらっしゃるかと存じます。アンバランスさが、ある程度の標準範囲であることを「定型発達」と言います。「定型」でない発達を「非定型発達」と言います。「非定型発達」には、「発達の遅滞」・「発達のアンバランス」があります。「発達の遅滞」は、一般的に、少し会話をしたり、言動を観察すれば、周りの人もすぐにわかります。

しかし、「発達のアンバランス」に関しては、表面上目立つことが少なく、専門家でも診断に苦慮する場合もあるほどです。

本人は、幼少の頃は、全く自分に違和感を感じません。しかし、成長に従って、「自分は他の人とどこかが違う」となんとなく感じてき始めるケースが多いようです。しかも、周囲の友達もほぼ同じ年齢集団なので、「大人の対応」がしてもらえず、本人に悪気がないのに、何気ない一言で大きなトラブルになってしまったりして、不登校やうつ状態に陥ってしまうことも多々あります。

問題は、本人に自覚が無いので、教師や保護者に、困り度を上手に伝えられないところです。一つ一つの問題に対処することはある程度可能ですが、根本に、「発達障害」が潜在しているとは気が付かれず、表面に出てきた問題の解決だけになってしまうことです。結果、原因は残ったままなので、似たような事の繰り返しが多くなってしまいます。

「発達障害」は、先天的なものなので、本人のわがままや、育て方の問題などとは違います。現在のところ、「障害」を根治させる方法も確立されていません。

しかし、本人にとっても、社会への適応がし易く、生き方が楽になったり、周囲の人達にとっても、対応の仕方がわかったりすることは充分に可能です。それは、専門家の診断を受け、アドバイスを伺い、必要に応じてカウンセリング・薬などを処方してもらうことです。現状では、専門家も少なく、そのような機会を得ることは時間と勇気が必要ですが、本人が、負の経験の積み重ねで自信を失ったり、将来、社会に適応できなくなったりする前に、少しでも早く、療育を決断して頂ければ、と切に願っています。

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